煤竹のこと
煤竹の 美しさは、茶褐色の色の美しさ。
200年の月日を経て、よ うやくこの濃く深い色となります。
茅葺
の家の
天井には、屋根の構造材として沢山の竹が使われていました。竹やぶから切られた
竹は、この屋根の上で長い年月 を過ごします。180年も200年も屋根を支え、毎日毎日囲炉裏
の煙に覆われた竹の表面は、ススで真っ黒になり、中身までいぶされ た竹となります。
縄を解かれ一本づつとりはずされたその竹は、洗って表面のススが落とされ、そして、
弱い火の上で炙られて油抜きをされることで、「煤竹」という銘竹となり、
第2の人生が始まり、建築の内装材や工芸作品の材料として、その個性を発揮します。
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煤竹の表面は平坦な一つ色ではなく、模様のように濃淡が分かれています。煙
がよくあたる表面は濃
い茶色に、天井の裏や梁の上にあった部分、縄で括られていた部分は、薄く色付き褐色に。縄が巻きつけてあった箇所ははらせん状の模様にもなります。
煤竹の茶褐色の美しさは、年月から生まれる色であるからこそ,その当
時には意図されたわけでもない作為によって、長年かかって現れた色が煤竹の模様となり、景色となり、面白さともなります。
200年の月日を経て、よ うやくこの濃く深い色となります。
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