竹のコラム#03マダケの色々
  •   日本に数多く存在するタケ類の中でも、マダ ケ(真竹)は日本の原生のタケ。世界 中では700種以上、国内でも数百種のタケ・ササ類があるといわれていますが、竹材として取り扱われるのはほんの十数種ほどの品種。京都は、とくにマダケ の主産地であるのですが、夏冬の寒暖の差が激しい気候と京都の土壌が良質なマダケの生育に適していたようです。
  • 真竹と煤竹・しぼ竹やしみ竹  繊維が緻密 で表面の光沢が美しく、身の厚みもほどよく末落ちも少なく、また割りや曲げといった加工もできる真竹は、多様に使われます。
       冬場に伐採されたマダケ(青 竹)は、油抜きをされ、矯正をされて、「白竹」となり、竹材として室内の装飾建築材や工芸品の素材となります。そして、90年も経た白竹は、「蔵錆竹」と も呼ばれ、深い飴色になって います。
      また、マダケで、茅葺の屋根の支えに使われ、200年近く燻され、濃い茶色になったものが「煤竹」。長い時間が、タケの表面の色や内部の質までも変化させ ます。自然の素材の経年変化の妙です。    
  • 真竹の白竹  真竹には、他にも銘竹としてのいくつかのバリエーションが存在します。
      その一つが「しみ竹」。マダケの花は、120年 に一度だけ開花をします。開 花後は、日 本中のマダケが枯渇します。そののち数年後には、再び120年のサイクルをはじめます。この120年のサイクルの老齢期、茶褐色の模様が表面に現れます。 このような竹が、しみ竹と呼ばれ、その模様のでかたは様々。煤竹同様、1本1本異なる個性を持つ竹となります。
      また、マダケの変種として、皺の ある「しぼ竹」と呼ばれる種。特に節ごとに片側づつ交互に皺のある竹は方しぼ竹とよばれ、茶道具などでは趣のある竹として使われるものです。  
  •   マダケという 一つの品種が、何らかの自然や年月の影響で、形を変え、異なる竹材となります。  
  • written by Junji Kagata